合格実績と進学実績
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MARCHの合格者数が急増している高校でも
実際の進学実績が高いとは限りません
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私立大学は学部も学科も多く、選抜方法も一般入試以外に様々あり、受けようと思えば、かなりの数を受験できます
それどころか同一大学内でも他学科と併願できるのです
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指定校推薦だと1人が1校しか合格を取れませんが、一般入試なら優秀な生徒1人でいくらでも合格数を稼いでくれるということです
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そのため、学力の低い一般クラスの生徒に指定校推薦を取らせて、特進クラスの学力優秀な生徒には指定校推薦を禁止し、
『一般入試でMARCHを片っ端から受けろ』
という進路指導をしている学校があります
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これが進学実績が上がっているように見せかける手っ取り早い方法です
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学校にとっては手っ取り早い方法かもしれませんが、生徒と親が負担する受験料や手間は馬鹿になりません
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それに特進クラスの生徒は指定校推薦を受けられないとなると、不公平ですよね
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こういった取り組みは子どもの将来のことなど考えず学校をより良くみせることだけを考えた印象操作の一例です
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ところが安房高も2年前の入学生から
すなわち現在の安房高生全員がこれとまったく同じシステムになりました
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したがって今年度の卒業生からはこの『不公平』が多数く発生します
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理由を簡単に説明します
昨年度は指定校推薦でMARCH以上の大学に進学した生徒は17人ですが、当然今年も同数がMARCH以上の大学に指定校推薦で進学します
しかし今年の生徒は全員が特進Sクラス以外の生徒ってことになりますよね
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では今年度特進SクラスからMARCH以上に進学出来る生徒数はいったい何人になるとおもいますか?
おそらく10人に満たないでしょう
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しかしこの10人に満たない生徒たちが稼いでくれる合格実績はおよそ40名です
そうすると今年度安房高からMARCH以上に合格した人数は指定校推薦で17人、一般入試で40人なので
来春になると
「前年度の安房高からMARCH以上への合格者数は57名」
こんな感じで公表(印象操作)されます
(それに加え「国立大学合格者17人」とは公表せず
「国公立大学合格者23人」とも公表されます)
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「こうして進学実績が伸びているように見せかけると、多くの受験生やその親は『この学校は伸びている』と信じてその学校を目指すようになり、
それまでより学力的に高い受験生が受験するようになって、その生徒達が大学受験する頃には、本当に進学実績が上がっていくというカラクリです
結局は、元々学力優秀な生徒をいかに集めるかという競争になっているのです(館山から木更津高校へ行ってしまう優秀な生徒を引き止めたいのです)
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最後に前述した
《したがって今年度の卒業生からはこの『不公平』が間違いなく多く発生します》
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この部分を、例を交えて解説をしておきます
2年前安房高に進学したAさんとその家族は特進Sクラスの方が勉強できるようになってきっと良い大学にいけると判断し特進Sクラスに入りました
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現在3年生になったAさんは中央大学の法学部へ進学して遠藤研一郎教授や野村修也教授のもとで学びたいと思いはじめました
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安房高には中央大学法学部の指定校推薦枠が2名ありますが
推薦される生徒たちは特進Sクラス以外の生徒なので
推薦され進学する4名はSさんよりあきらかに学力が低い生徒たちです
(指定校推薦とは、大学が「あなた方の高校から生徒を推薦してほしい」と指定した学校の生徒のみが受験できる「学校推薦型選抜(推薦入試)」で高校内の選考を通過すれば100%合格が決まる入試です)
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しかしAさんは特進Sクラスなので一般入試するしかありません
中央大学法学部の入試は難関入試で、しかも倍率はおよそ3倍です
受験生3人のうち2人は不合格になります
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まとめると、指定校推薦された2名はAさんより低い学力にもかかわらず中央大学法学部へと進学が決まります(指定校推薦とは推薦されれば100%合格する入試です)
しかしAさんは倍率3倍の難関入試を突破しなければなりません
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ご自分の子供がAさんだったらと想像してください
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なおかつAさんは中央大学法学部が合格になっても不合格になっても学力自体は高いので近い偏差値帯の大学の合格実績をいくつか稼いでくれます
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元々学力が高い状態で入学してきたAさんは仮に第一志望の大学は不合格になったとしても高校側からしたら合格実績を稼いでくれるので都合がよい生徒ですよね(仮にAさんが指定校推薦を受けたら合格実績1名なので学校側は都合が悪いのです)
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俺はね、ちゃんと学力通りの順序で選ばしてあげたいっておもうんだよ
子供の未来を大人の都合で左右しちゃいけないっておもう
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